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2007年8月15日(水曜日)

地域経済再生・支援緊急対策は単なるばらまきであってはならない

カテゴリー: - 早川まさてる @ 11時11分41秒

地域経済再生・支援緊急対策は単なるばらまきであってはならない

 8月9日の全員協議会の報告が終わっていない。押し寄せる情報の海におぼれる前に、市民に情報提供をしておきたい。本当に次々に対処すべき情報が溢れている。

 今回は、残された大物、「地域経済再生・支援緊急対策」について、まとめておきたい。

 結論から述べておく。総額2950万円の予算措置を含む内容だが、金額ベースで2800万円については、私はふさわしくない・効果が期待できない内容であると見た。自民党京丹後支部からの陳情を受けた直後の6月21日にスタートし、地域経済再生という大きなテーマを掲げて短期間で取り組んで来たという状況は大変だったと思うが、結果として巨額の補助金が選挙前のばらまきに終わってしまいかねない。

 また、単なる支援策ではなく、地域経済再生・支援緊急対策というテーマを掲げる以上は、現在の状況とこれからの京丹後ががんばって行く方向についての本質的追求が不可欠だと思うが、明らかに不足している。加えて、今回の巨額の補助金2950万円について、行財政改革との整合性、財源(何を削って捻出するのか)について確認したが、検討していないという答弁だった。話にならない。補助金を一律10%カットの中で、数千円、数万円の補助金が地域の現場で消えていっている。その血と汗をかき集めたような補助金予算が、1000万円単位で意味のない・効果の薄い施策に消えて行くことが本当にふさわしいのか、9月議会に向けての議員・会派・議会の見識が問われているだろう。

 というわけで、主要な点のみ、個別の内容を吟味してゆきたい。

 市が議会に提出したものと同じ資料が市のHPに出ている。詳しくはこちらを参照してほしい。していただくこととして、私は指摘すべき点のみ、記述する。

1.市職員動向訪問について

 
商工会の「会員訪問事業」に同行して、市職員が延べ99人(実日数60日)1879事業所
  (全体の59.7%)を訪れ、ヒアリング等によって、生の声を聴いた。

 これについては、聴くだけで反映されないので意味がないなどの厳しい意見もあるが、プラスに捉えておきたい。ただし、非常に駆け足であっただろう事や、その取りまとめが今回の予算措置に活かされていると感じられないことなど、やっただけの結果に終わる可能性が高い。HPにも公開されている「生の声」をきちんと読み取り(ピックアップして中身をなくすようなまとめでは意味がない)、施策に組み上げれば、価値は出てくる。この動きの評価はこれからの取組にひたすらかかっている。

2.建設業の経営革新支援

建設業者が行う経営基盤強化や新分野進出等の経営革新に向けた取組みに対して
補助金を交付。補助対象経費は、アドバイザー等への謝金、旅費、研究開発
事業費、会議費、資料作成などで、補助金額は、補助対象経費の2分の1以内(1
件200万円を限度)。補正予算額600万円

 これについては、建設業が新分野などへ移行して行く必要があることは自明であり、方向性はいい。が、建設業の感覚として、ややこしい手続きをして、200万円程度の金額を補助してもらうことが、それほど意味のあることになるとは思えない。総額600万円もの補助金を使うのであれば、別の使い道を考えるべきだと私は思う。

 指摘に対して担当部長は、年度途中でもあり、今回はソフト面に手を付けて3年継続しながら国府の補助金含めて、ハード面にも進めて行きたいと答弁した。そのイメージも分からないでもないが、それならば、きちんと現時点での全体像を示すなかで提起すべきであろう。

3.信用保証料補助金の拡充

織物業に加え、建設業に対しても補助率の特例措置を設け、現行の補助率(30%〜80%)を特例措置として100%とする。
予算額1200万円。

 今、建設業者にとっては、もちろん100%の補助金はありがたいだろう。恐ろしく業界が厳しいことは間違いない。しかし、仕事を入札で勝ち取り、信用保証料を払わなくてはならない業者は仕事がとれたと言うことである。また、入札するにあたって、それらのコストも算定しての入札価格である。もし、行政がやるならば、京都府に対して(府は京丹後での仕事量が1/3になると言っていると聞く)あまりに厳しい状況を踏まえて、予算の削減幅を小さくするように、市長も議会も(府議会議員も)総力を挙げて声をあげて、仕事総量を増やすことに取り組むべきだろう。また、補助率を100%にする必要性はどこにあるのか。これは、地域経済再生・支援緊急対策としては極めて効果が薄く、単なる関係業界へのばらまき施策ではないかと私は考える。

4.水洗化促進住宅の改修助成

下水道の普及とあわせて、市内建築業者等への受注増加を促進することにより民
間需要の拡大を後押しするための方策として、水洗化のための住宅改修の助成につ
いて、そのあり方を速やかに市下水道事業審議会に諮問。その上で年内を目
途に答申をお願いし、平成20年度の予算編成において制度の具体的な設計を行う。

 旧網野町時代に同様の施策があったが、実態として、どれくらいの需要喚起になったか、あまりよく分からなかった。2年ほど前に文教建設常任委員会で岡山県新見市に視察に行き、同様の施策があったので効果を尋ねたことがあるが、あまり利用者がないという話だった。しかし、やってみることはいいと思う。しかし、私が指摘したのは「下水道審議会に諮問する必要はない。トップの見識として、必要があると確信できるなら、そんなに時間をかけないで、即、実行に移せばよい。審議会も否定的結論が出せるわけもなく、迷惑で時間のロスになるだけだ。」ということである。平成20年度は骨格予算であり、当初から入れられる施策ではないし、そういう動きがあるということ自体が、市長自ら発言していたように、市民にとっては改修を先送らせる要素となってしまう。市長の他の答弁は論理的に意味が分からず、記憶に残っていないので省略。


5.割引商品券の販売支援

地元消費の促進と民間需要の拡大を目的に、京丹後市商工会が合併記念PR事業
とあわせて実施する割引商品券の販売事業に対し補助金を交付。

 市民は9000円で10000万円分の商品券を購入できる。1万セットで一人5セットまでである。今の市民の状況を考えると、この商品券があるからたくさんものを購入するという状況にはない。ひたすら節約であろう。また、以前の同様の商品券でもほとんどは大手スーパーなどで利用されていたと指摘がある。お金に余裕がある家庭では、45000円出せば5000円の割引が得られる(1万セット÷5セット=2000人。京丹後市の総世帯数は21923世帯)ことになる。

 この企画を京丹後市商工会が合併祈念PR事業として実施する(これはかまわない。どんどんやって欲しいぐらいで、商工会としてはいい企画?だと思う。)のだが、1割割引分の経費1000万円をまるごと京丹後市が地域経済再生・支援緊急対策の補助金として支出するという計画である。それは私は違うと思う。上記のように、この商品券の目的・効果は、市の掲げるテーマにそぐわないし、私は効果が期待できるとは思えない。地域経済再生・支援緊急対策ではなく、単独の補助金として商工会に出すのであれば、(財政面や行革の考え方との整合性は別として)それはそれとして一つのばらまき、いや、もとい、施策である。(市長は繰り返し商工会からの要望があったと述べていた。)そもそも商工会は合併祈念PR事業として考えるのであれば、会員が5%持つとか、商工会の予算から組むなど、自力でできる事業を考える方が良いのではないかと思う。

 ある行政経験も深い議員さんが言った。「早川くん、あんたの言うとおりだ。商工会が自力で10%割り引いて、市が10%上乗せするという話ならまだ分かるがなぁ。」

6.建設工事及び物品等の発注方針

建設工事の発注及び物品の購入等に当たって、透明性及び競争性の確保を大前
提としつつ、公益的基盤の確保と地域経済の再生の観点も踏まえ、基本方針を再
確認する。本市が行う公共工事の透明性、公正性の確保をいっそう確実なものとするため、
第三者による「入札監視委員会(仮称)」を設置。

 これは、だいぶんもめそうな予感がする。今、気になっている事案が複数あるのだが、へたに書くとえらいことになるのでまだ書かないが、少なくとも「入札監視委員会(仮称)」は、既に一部で嵐?が始まっている。

 なお、その基本方針の中に「 除雪や災害対策等の公益的配慮が必要な土木建設分野において、市内に十分な数の業者が確保できる場合には、透明性、競争性の確保を大前提に、市内業者に発注することを原則とする。」という一文がある。これは、意味がよく分からない。私が土木業界の方達に何度かヒアリングをさせてもらった際に聞かせてもらったのは、「除雪は割に合わない。災害復旧も予算がなくても?やってくれと無理をしてきた。他所からの業者がそういうこともしないまま、安い入札価格で仕事だけを取って行かれたら、とてもやってゆけない。」という趣旨であったと思う。

 私は「いや、地元の土木業界は除雪はこんなことならやらないと言っているのではなかったか?それを地元に優先的に発注する意味がよく分からないのだが」と2回も質問したが、回答はなかった。よく文章を見直すと、「除雪や災害対策等の」とあり、災害復旧ではない。微妙な表現である。入札という、公明正大透明性が最大限に要求される分野の基本方針である。意味内容は、誤解なく、明白に理解できる必要がある。私には、その文章が示す具体的な内容が把握できない。

7.地域経済再生・支援緊急対策総合相談窓口の設置

緊急対策事業や雇用などに関する市民の相談に的確に対応するため、総合相談窓
口を商工振興課(商工観光部)に設置。雇用に関する相談、緊急対策事業に
関する相談、融資や利子補給など金融に関する相談などを受け付け、関係機関や関
係部署への紹介や連携、調整を行い、支援する。

 私が指摘したのは次の1点である。「市職員はもともと専門家ではない。ぎりぎりのところで苦しんでいたり、時代の先端を行く開発の相談に商工観光課の職員が対応できるとは思えないし、本来の業務に負荷がかかる。本当にやりたいなら商工会に補助金を出して委託した方がまだいいのではないか。」

 こんな相談に対応するには、市職員らしくないと言われるぐらいの専門分野での感性と能力・知識が求められるだろう。思いつきでこれ以上貴重な職員のマンパワーを浪費するのはやめにして欲しいと思う。本来の業務でもっとやらなければならないことがあるのではないか。

 短くと思いつつ、結局、長文になってしまった。厳しく問題点を指摘してしまったが、そう書かずにはおれない貴重な貴重な市の財源2950万円を使ってのぼろぼろの施策である。2950万円から、私の指摘した1200万円、1000万円、600万円を引き算してみて欲しい。その2950万円をどこから捻出するのか、どの施策をカットするのか、そのお金があったらやりたい、やるべき施策はなかったのか、想像してみて欲しい。

 たった10万円20万円であっても、意義があったのに予算化できなくて消えていった施策たちは、屍累々と積み重なり、恨めしやぁ〜と、草葉の陰からじっと見ているはずだ。(お盆モードの表現です。失礼しました。)

 1000万円、本当にお金を出して地域の商店を活性化させるなら、1ヶ月間、小さな地域の商店で購入した金額の10%を市が割り戻す制度も考えられる。もちろん、この場合、大手スーパーやホームセンターなどは除外する。1ヶ月間限定で1億円のお金が、ローカルの小さな商店で使われる。これはこれなりに、意義があり、若い人たちも、もう一度地域の魚屋さんやお肉屋さん、電気屋さん、文房具店で顔を合わせながら買い物をする楽しみを感じてもらえるかもしれない。そして、公務員の地元消費を徹底的に喚起する。(私もまだまだ・・・。m(_ _ )m ) 

 <もう一度京丹後キャンペーン> である。

作成日: 2007/08/15


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